『午後十時の映画祭』60年代編②作品コメ [「午後十時の映画祭」]

『午後十時の映画祭』

昨日アップした、この映画が観たい『午後十時の映画祭』(60年代編)の50本について、短めにコメント入れてく。
五十音順で今日は「ア」行と「カ」行を。


「ア」行

『合言葉は勇気』1963年イギリス 
監督アンドリュー・L・ストーン 主演ダーク・ボガード

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もう何年も前になるが、三谷幸喜脚本のテレビドラマの題名はここから拝借してたんだね。中身は全く関係がなく、こちらは第2次大戦中に、イギリス兵の捕虜があの手この手で、ドイツ軍の収容所から脱走するという話。「捕虜収容所もの」は面白い映画が多いので、これも見てみたい。
ビデオ・DVDにはなってない。



『悪魔のくちづけ』1967年アメリカ 
監督カーティス・ハリントン 主演キャサリン・ロス、シモーヌ・シニョレ

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1970年の『愛はひとり』が6月に初DVD化されるキャサリン・ロス主演のスリラー。妻の相続遺産で優雅に暮らす夫婦のもとに、シモーヌ・シニョレ演じるセールスウーマンが来て、奇怪な出来事が続発する。心理的に追いつめられるキャサリン・ロスが初々しい。
昔ビデオになってたがDVDにはなってない。



『悪魔のような恋人』1969年イギリス 
監督トニー・リチャードソン 主演アンナ・カリーナ、ニコール・ウィリアムソン

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『ロリータ』のナボコフ原作で、アンナ・カリーナが、初老の画商の財産目当てに近づき、その手管でやりたい放題するという、ニコール・ウィリアムソンが哀れすぎる物語。ナボコフこういうの好きだね。究極のマゾヒズム映画の1本だろう。
ビデオ・DVDにはなってない。



『明日に賭ける』1967年イギリス 
監督マイケル・ウィナー 主演オリヴァー・リード、オーソン・ウェルズ

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60年代のイギリスのテレビ広告業界に生きる主人公を描いていて、日本映画『その場所に女ありて』を思わすドライなタッチ。あちらは司葉子だったが、こちらはオリヴァー・リードが主演。
マリアンヌ・フェイスフルも顔を見せてる。
ビデオ・DVDにはなってない。



『明日よさらば』1969年イタリア 
監督ジュリアーノ・モンタルド 主演ジョン・カサヴェテス、ピーター・フォーク、ブリット・エクランド

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これは昔よく12チャンの昼間なんかにやってたね。イタリアの製作陣による、アメリカの役者を起用した、ギャング映画だ。主演のカサヴェテスを筆頭にフォーク、ローランズという「カサヴェテス・ファミリー」が集結してる。ブリット・エクランドは可愛い盛りの時期。
ビデオ・DVDにはなってない。



『甘い暴走』1968年アメリカ 
監督ハーヴェイ・ハート 主演ジャクリーン・ビセット、マイケル・サラザン

甘い暴走.JPG

「70年代編」で選んだ『さらば青春の日』のビセットとサラザンが、それに先んじて共演してた、マリブビーチが舞台のドラマ。ビセットのレ●プシーンがあるとかないとか映画雑誌には書いてあったが、これも今まで見る機会に恵まれない。
ビデオ・DVDにはなってない。



『或る種の愛情』1962年イギリス 
監督ジョン・シュレシンジャー 主演アラン・ベイツ

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シュレシンジャー監督が第1作目にして、ベルリン映画祭「金熊賞」を獲得したドラマ。アラン・ベイツにとっても初の主演作だ。イギリスの労働者階級の若い男女が、愛情のない結婚生活から少しづつ心を変化させてく様子を描いてる。相手役の女優が今ひとつ魅力に欠けるのが難。
ビデオ・DVDにはなってない。



『ある日アンヌは』1969年フランス 
監督ギイ・カザリル 主演マルレーヌ・ジョベール

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刑務所内でレズビアンの相手になった年上の女が先に釈放され、それを追って脱獄するヒロインにマルレーヌ・ジョベール。といっても外に出た後は男と女のドラマになるようだ。
これは昔ビデオになってたようだがDVDにはなってない。
ギイ・カザリル監督は後に純正レズビアン映画『エミリアンヌ』を撮ってる。



『異邦人』1968年イタリア・フランス 
監督ルキノ・ヴィスコンティ 主演マルチェロ・マストロヤンニ、アンナ・カリーナ

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「太陽がまぶしかったから」という理由で人を撃ち殺した会社員の男。ヴィスコンティがカミュの「実存主義」的小説の映画化に挑んだ野心作。アルジェリア・ロケの色彩の鮮やかさ。
もう何年も前だが、有楽町の朝日ホールで見ることはできたのだが。
権利関係が煩雑なようで、ビデオ・DVDにはなってない。



『いのちの紐』1965年アメリカ 
監督シドニー・ポラック 主演シドニー・ポワチエ、アン・バンクロフト

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睡眠薬を大量に飲んだ、自殺志願の中年女性の電話を受けた、自殺予防センターのアルバイト学生が、警察と連携して、彼女の居所を探り、必死で説得を行う過程を、息詰まる演技で見せる、シドニー・ポラックの監督第1作。リメイクするならポワチエの役はデンゼル・ワシントンだろう。役が学生じゃなくなるが。
ビデオ・DVDにはなってない。



『いれずみの男』1969年アメリカ 
監督ジャック・スマイト 主演ロッド・スタイガー

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これと前後する『軍曹』では、一等兵に熱を上げる曹長を、『殺しの接吻』では女装の殺人鬼を、そして本作では、全身に入れた刺青の中に、見つめた人間の未来が見えるという男を、という当時は「男色テイスト」路線に走ってたロッド・スタイガーなのだった。原作はレイ・ブラッドベリという異色SF。
ビデオ・DVDにはなってない。



『女になる季節』1961年イギリス 
監督ルイス・ギルバート 主演スザンナ・ヨーク、ジェーン・アッシャー

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60年代イギリス映画の名花である二人が、十代の頃に共演を果たしていたという、もうそれだけでも見れれば眼福なのだが、ルイス・ギルバートの映画なんで、内容もいいと思われる。シャンパーニュ地方に休暇にやってきたイギリス人一家の物語。
スザンナは長女、ジェーンが次女。見たいなあ。
ビデオ・DVDにはなってない。



「カ」行


『かわいい毒草』1968年アメリカ 
監督ノエル・ブラック 主演アンソニー・パーキンス、チューズディ・ウェルド

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60年代前半には十代にして「ポスト・マリリン」的セックス・シンボルだったチューズディ。彼女のキャリアは『俺たちに明日はない』の主役を蹴ったことで暗転する。この映画では人殺しも躊躇しない、悪女というよりサイコパスを演じて、パーキンスよりも「サイコ」である。
ビデオ・DVDにはなってない。



『危険な恋人』1968年イタリア 
監督ティント・ブラス 主演ジャン・ルイ・トランティニャン、エヴァ・オーリン

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後に映画界きっての「尻フェチ」として名を成すティント・ブラス監督初期のジャーロ作。『キャンディ』のヒロイン役で、男の下半身を直撃したエヴァ・オーリンが演じる女性像というのは『氷の微笑』の元ネタのように感じる。サイケなイメージ映像とか音楽のはさみ方とか面白い。
DVDはリリースされてたが現在は廃版。



『傷だらけのアイドル』1967年イギリス 
監督ピーター・ワトキンス 主演ポール・ジョーンズ

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これも昔はけっこうテレビでやってた。メディアによって作り上げられたポップスターの心の葛藤と、虚構の座に抗おうとして、バッシングを受ける様を、エキセントリックな描写で見せてた。
これのアンサー映画的な展開を見せるのが、アラン・パーカー監督の『ピンク・フロイド/ザ・ウォール』だ。
ビデオ・DVDにはなってない。



『経験』1969年アメリカ 
監督ジェームズ・ニールソン 主演ジャクリーン・ビセット

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これはもうまったくのジャクリーン・ビセット見たさでしかない。彼女の出演作としても一番なじみがない映画なんじゃないか?童貞高校生3人が、カナダ国境のナイアガラの滝で、カナダ人の年上の女性ビセットと知り合いとなり、アタックしようとする話。ビセット当時25才。
ビデオ・DVDにはなってない。



『五月の七日間』1963年アメリカ 
監督ジョン・フランケンハイマー 主演バート・ランカスター、カーク・ダグラス

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60年代フランケンハイマーの、『大列車作戦』『影なき狙撃者』と並ぶ「ポリティカル・サスペンス3部作」の1本。核廃絶に反対する強硬派が軍事クーデターを画策する。『OK牧場の決闘』の二人が再び顔を合わせ、ディスカッション・ドラマとしても迫力がある。
WOWOWで放映されたことはあるが、ビデオ・DVDにはなってない、

2012年4月14日

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