モンテカルロつながりで [映画カ行]

『恋するモンテカルロ』

恋するモンテカルロ.jpg

昨日コメント入れた『マダガスカル3』で最初に舞台となったモンテカルロつながりで、DVDレンタルしてみた。
ティーン・アイドル映画の範疇なんだろうな。
セレーナ・ゴメスが主演で、レイトン・ミースターとケイティ・キャシディがサポートしてるが、俺は3人ともよく知らない。
共通してるのは、アメリカのテレビドラマで人気を得た女優ということ。
テレビドラマは洋邦どちらも見ないから、役者にも疎い。

憧れのパリへの卒業旅行が、現地でのアクシデントで、モンテカルロへのセレブ旅行へとグレードアップという展開は、まあ全編他愛ないもんではある。
だがこういうヒロインが憧れの外国へ行くという話は、「おのぼりさん映画」なわけだから、他愛なくてもいいのだ。

俺は見てないけど、綾瀬はるかの『ホタルノヒカリ 劇場版』も、
「ローマの休日してきました!」っていうノリで、内容的には酷評が並んでたが、アメリカ映画も大して変わらんよと、これ見れば思うだろう。
異国のバカンス気分が味わえれば、それ以上のものを求める必要もない。

やはり俺は見てないけど、同じく酷評されてたジョニー・デップ&アンジーの『ツーリスト』も、ヴェネチア観光映画以上でも以下でもないんだろう。


この『恋するモンテカルロ』は他愛ないなりに、設定はちょっと面白い。
セレーナ演じる女子高生グレースは、地元テキサスのファミレスでバイトしてる。
パリへの卒業旅行の費用をこつこつ貯めてるのだ。

グレースと一緒に行くのが、バイト仲間のウェイトレスで、年上のエマ。地元の高校を中退して、モデルを目指してたが、挫折して町に舞い戻ってた。
けっこう長いつきあいになる、オーウェンという彼氏がいるが、オーウェンは、エマがパリの空気にのぼせて浮気するんじゃないかと気が気じゃない。

グレースの父親は、妻を亡くして、グレースの母親と再婚した。
前妻の間にはグレースより年上の娘メグがいる。
メグは母親の死を乗り越えられておらず、再婚した父親にもどこか苛立ちがある。
なので新しい母親の連れ子であるグレースとも折り合いはよくない。

そのメグは父親から、グレースの卒業旅行に同行するように言われて驚く。
両親としてはグレースの付き添いがエマでは心もとないのだ。
父親からのたっての願いを聞き入れたものの、気持ちは重い。
グレースだけが理由ではなく、エマはメグの同級生だったのだ。

真面目に大学に通ってるメグにとって、高校中退して、チャラチャラしてたあげくに、町に出戻ってウェイトレスやってるエマとはそもそも反りが合わない。
そんな二人と1週間も顔つきあわせるのか。ぎくしゃくムードで旅は始まるのだ。


仲良し3人組がキャピキャピはしゃぎ回るという設定じゃない。
3人の中では年上感がバリバリに出てる、エマを演じるケイティ・キャシディ。
一番堅物なメグを演じるのがレイトン・ミースターだ。

グレースは費用を安く上げようと、自分で選んだのが「魂の5日間ツアー」という、パリの名所という名所をバスで分刻みに巡るもの。移動は駆け足、ホテルも高級とは程遠い。

グレースは「どうせ寝るだけ」と自分は簡易ベッドに。
「どうなのよこのツアー」と思ってたメグだが、行く先々で偶然顔を合わせるオーストラリア人のイケメン、ライリーとエッフェル塔でも一緒となり、いい雰囲気に。
アバンチュールに一番縁のなさそうなメグが、最初に恋に落ちるとは。
だがその間に、ツアーバスは3人を残して出発。

取り残されて途方に暮れる3人の中で、急にグレースが
「どうせ私の計画が悪かったってことなんでしょ!」
と誰も言ってないのに逆ギレ。
おまけに雨に降られて、ズブ濡れで高級ホテルのトイレに駆け込んだ。
2人がなだめても納まらないグレースは、泣いてトイレに閉じこもる。


すると直後に入ってきたのがグレースそっくりの少女。なにやら高飛車に電話の相手に話してる。
少女が出ていった後、グレースの顔を見直して、髪型を変えさせてみる。
「ほんとそっくりだわ」
その少女はイギリスの大富豪の娘で、セレブとして有名なコーデリアだった。

ここパリからチャリティ・オークションに出席するため、モンテカルロに行く予定だったが、コーデリアはそれをすっぽかして島にバカンスに行くつもりだった。
ホテルに自分の荷物が着いてないとカンカンで、そのままホテルから出て行ってしまった。

ホテルの支配人は、トイレから出てきたグレースたちを見て、グレースをコーデリアと思い込む。
エマは機転を利かせて、2人は付き添いだと話し、支配人は、3人をスイートへと案内する。
セレブに成りすまして、突然の豪遊旅行に。

届いてなかった荷物が部屋に届く。大量のドレスや靴やアクセサリー。
「ちょっと拝借」と3人は思い思いに着飾って、セレブの社交界へ。
チャリティ財団のフランス人親子がお出迎え。
グレースはその息子テオにちょっと惹かれるが、テオはコーデリアの悪評を耳にしてるから、あまりフレンドリーではない。

パーティでコーデリアの叔母が、グレースに声をかける。なんかいつもと雰囲気がちがうと感じつつも、モンテカルロのチャリティは頼んだわよと。
初めて体験するお金持ちたちの世界からホテルに戻り、メグは堅物なんで、罪の意識が抜けないが、3人とも疲れてたんで、そのまま豪華なベッドで寝込んでしまう。


翌朝すっかり日は高くなり、おまけに本物のコーデリアがホテルに戻ってきた。3人は大あわてで部屋を元通りにし、ロビーを抜けると、用意されてた高級車に乗り込んだ。
空港からプライベートジェットで一路モンテカルロへ。

一方、部屋に入ったコーデリアは、荷物をチェック。ブルガリの超高級ネックレスがないことに気づく。それは前の晩、グレースがつけてたのだ。


この映画は女の子3人を常に一緒に行動させず、それぞれに出会いを設けて、エピソードを繋いでいく。その「つかずはなれず」の距離感がいいと思った。
ぎくしゃくしてた関係が、旅を通じて変化してく展開とか、それぞれのアバンチュールの描写とか、まあ収まる所に収まるんで、意外性はない。

セレーナ・ゴメスはグレースと、高飛車なコーデリアと二役を演じてるが、そんなに難しい演技でもない。ただ1箇所、グレースがコーデリアの口を手で塞ぐ場面を、ワンショットで収めてるのは、あれはどういう処理をしてるんだろ。

セレーナ・ゴメスは、女優としてより歌手として人気が高いらしいが、ヒスパニック系としては、ジェニファー・ロペス以来のスターとなるんだろうか。
調べてみたら、歌手としてはシングルで、パイロットの『マジック』をカバーしてるんだな。
パイロットは70年代の一時期、ヒット曲を連発したイギリスのポップロック・バンドで、メロディの良さと、ハイトーンのヴォーカルがインパクトあった。
俺も好きなバンドだったんで、このカバーは聴いてみたいな。
セレーナは小柄で、可愛らしい顔はしてるが、ちんくしゃな感じもあって、なんか不思議な持ち味は感じる。

それよりレイトン・ミースターのことを調べてて驚いた。家庭環境が凄すぎるな。
両親や祖父や叔母まで、一族そろって麻薬密売で財をなしてたってんだから。

それが家族が一網打尽となり、その時妊娠してた母親が、獄中で生んだのがレイトンだったと。
彼女の兄の一人も婦女暴行で逮捕されてる。
どんだけワイルドなファミリーなんだよ。

でも彼女は印象としてはヴァネッサ・パラディっぽい色白で、細やかな演技も見せるし、とてもそんな背景を持ってるように感じない。
家族がしてきたことと、彼女とは関係がないんだろうから、スポイルされずに、女優としてキャリアを伸ばしていけるといい。
陰ながら応援したくなったよ。

2012年8月14日

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