3月残り2週末の公開作が熱い [映画雑感]

3月の24日(土)とその翌週末31日(土)に公開される新作のラインナップが充実してて、貰った給料が速攻目減りするのは避けられない。期待値の高い映画を以下に挙げてく。

24日(土)公開分

『第九軍団のワシ』
以前ファスベンダー主演の『センチュリオン』のコメントを入れた時に、その後日談を描いてる『THE EAGLE』の公開を期待してると書いたが、ようやく原作小説と同名の邦題がついての日本公開が実現。
チャニング・テイタム主演の歴史アクションに見えるんで、シネコンでやるのかと思ったら、
「渋谷ユーロスペース」での単館公開とはね。意外と地味な中身なのかも知れんが。


『トロール・ハンター』
「ファンタ」系としてはその筋の間で早くから話題となってた、北欧ノルウェー発の怪獣映画。
伝説のモンスター「トロール」を追う、トロール・ハンターの行動を、心霊系でよく使われる手法の、フェイク・ドキュメンタリーとして描いてる。北欧らしい低温なギャグもまぶしてあるようだ。
東京では「TOHOシネマズ日劇」でのレイトと、お台場の「シネマメディアージュ」のみでの公開。
シネコンなんだけど単館みたいな扱いだね。


『テイク・シェルター』
大竜巻の襲来とともに世界が滅びるというビジョンを見てしまい、自宅の庭に一心不乱にシェルターを作り始める、そんな男を演じさせたら、マイケル・シャノン以上の役者はいないじゃないか!
「電波系」演技の集大成を見せてもらおう。映画自体もカンヌやサンダンスで受賞してるしな。
東京では新宿の「バルト9」と横浜・桜木町の「ブルク13」の東映系シネコンに、「銀座テアトルシネマ」に、
「シアターN渋谷」という変則的な公開だね。
マイケル・シャノンの電波出世作『BUG』も「シアターN渋谷」で見たんだっけ。


『マリリン 7日間の恋』
マリリン・モンローを演じたミシェル・ウィリアムズが、今年のアカデミー賞でメリル・ストリープと賞を競った伝記映画。ローレンス・オリヴィエのフォロワーとしてキャリアを築いてきたケネス・ブラナーが、ついにオリヴィエ本人を演じる他、最近とんと名前を聞かなくなったジュリア・オーモンドが、なんとヴィヴィアン・リーに扮してるという。
そっくりさん大会になってなきゃいいが。
東京では、「TOHOシネマズ」「Tジョイ・バルト9」(東映系)「MOVIX」(松竹系)「ワーナーマイカル」「ユナイテッドシネマズ」「立川シネマシティ」という、東急系の「109シネマズ」以外のシネコンに、「角川シネマ有楽町」「ヒューマントラストシネマ渋谷」などミニシアターと、ほぼ網羅するような規模の公開となってる。
ちなみに「109シネマズ」においては、横浜のみなとみらい地区の「109シネマズMM横浜」のみで公開。
小品ぽい印象があるんだが、予想以上に興行が期待持たれてるのかな。


『カエル少年失踪殺人事件』
韓国には「3大迷宮入り事件」というのがあり、
1986年からの5年間に起きた「華城連続強姦殺人事件」は『殺人の追憶』で、
1991年ソウルで起きた「イ・ヒョンホ君誘拐殺人事件」は、ソル・ギョング主演『あいつの声』で
それぞれ映画化されてる。
『カエル少年失踪殺人事件』は1991年にテグ市の小学生5人が、「カエルを取りに行く」と言ったまま戻らず、2002年9月に少年たちのものと思われる白骨死体が発見された事件を映画化したもの。題名からは一瞬コメディかと思ってしまうが、韓国人には「カエル少年事件」と呼ばれ誰もが知ってるのだという。
キャストが渋めなのも期待を持たせる。
東京では韓国映画といえば此処という「シネマート六本木」での単館公開だ。


31日(土)公開分

この日はすでにファンの間では盛り上がってるようだが、「ライアン・ゴズリング・ウィークエンド」とも言える、彼の期待の新作2本が公開されるのだ。

『ドライヴ』
ライアンは犯罪組織の逃走請負に手を染める、映画のスタント・ドライバーを演じてる。先輩「ライアン」のライアン・オニールが1978年に主演した『ザ・ドライバー』と同じ稼業だ。
この映画でのライアン・ゴズリングの演技が、今年のアカデミー賞の候補から漏れたことが、ハリウッドでも騒ぎとなってたが、新世紀のフィルム・ノワールとしてもすでに評価が高い。
もう予告編がね、カッコよさを煽りまくってるからね。こっちも「期待通りじゃなきゃ許さないよ」という位のテンションになってるのだ。
東京では「TOHOシネマズ」「バルト9」「MOVIX」「ワーナーマイカル」「ユナイテッドシネマズ」「立川シネマシティ」というシネコン系に、「ヒューマントラストシネマ渋谷・有楽町」「シネリーブル池袋」のテアトル系ミニシアターとこちらも規模の大きい興行展開だ。
しかしこれも「109シネマズ」ではやんないのか東急。
この『ドライヴ』で一躍世界的な注目を集めることとなった、デンマーク出身のニコラス・ウィンディング・レフンの2009年の監督作『ヴァルハラ・ライジング』も、この翌週4月7日に公開が決定したのは嬉しい。
なんたって主演がマッツ・ミケルセンという北欧伝説アドベンチャーなのだ。


『スーパー・チューズデー 正義を売った日』
こちらの方は、民主党の大統領候補者を選ぶ「予備選」を題材にした、まさに時期としてはドンピシャな内容。
ライアンは、選挙の裏の政治的かけ引きに翻弄される、若き選挙参謀を演じてる。
監督・主演は政治ネタにこだわるジョージ・クルーニーだが、彼の監督作は「クール」を気取りすぎるというか、いい意味でのはったりに欠ける所がある。今回のはどうだろうか。
ライアン・ゴズリングは若手きっての演技派だが、この2作は外見をあまり作ってないから、女性には特にアピールできるだろう。これで人気がブレイクしなかったら、もうこの先日本でのブレイクはない。
東京では「新宿ピカデリー」「MOVIX」(松竹系)「ワーナーマイカル」に、「シネマメディアージュ」「品川プリンスシネマ」「立川シネマシティ」の独立系シネコンと、銀座の「丸の内ピカデリー」、「渋谷シネパレス」での公開。
ちなみに神奈川では「ブルク13」や辻堂の「109シネマズ湘南」のほか独立系シネコンの「チネチッタ川崎」でも公開される。
ところで、お台場の「シネマメディアージュ」は一応「TOHOシネマズ」の傘下に入ってるにも係らず、TOHOシネマズのサービスが適応外となってる。なんでそういう中途半端なことになってるのか、ずっと気になってる。


『ヘルプ 心がつなぐストーリー』
これも今年のアカデミー賞を賑わせた作品の1本。
先日DVDで見た『小悪魔はなぜモテる?!』が抜群だったエマ・ストーンが、南部の白人家庭で働く、黒人のメイドたちの心情を取材する、記者志望のヒロインを演じる。
アカデミー賞助演女優賞を獲得したオクタヴィア・スペンサーなど、演技の見せ場は黒人女優たちが負ってるようだが、涙あり笑いありのヒューマン・ドラマに仕上がってるんだろう。
東京では現在わかってる範囲では「TOHOシネマズ」「ワーナーマイカル」「109シネマズ」「MOVIX」のシネコンに、「ヒューマントラストシネマ渋谷」「新宿武蔵野館」のミニシアター系、横浜・桜木町の「ブルク13」などでの公開が決まっている。


『ルート・アイリッシュ』
『大地と自由』『カルラの歌』『麦の穂をゆらす風』など度々戦争下のドラマを描いてきた名匠ケン・ローチが、イラク戦争に従軍していたイギリスの民間兵の存在を初めて題材としたドラマ。イラクの空港から米軍管理区域「グリーン・ゾーン」までの12キロに及ぶ道路の俗称が題名となってる。
最もテロの標的にされやすい「世界で一番危険な道路」なんだと。
心臓に悪そうなサスペンスフルな描写がありそう。
東京は「銀座テアトルシネマ」での単館公開。


『少年と自転車』
カンヌに出品した監督作が5作連続で何らかの賞を受賞してる、ジャン=ピエールとリュックのダルデンヌ兄弟の新作。
『息子のまなざし』の公開時に来日した折、企画されたシンポジウムで「育児放棄され、赤ん坊の頃から施設に預けられた少年が、親が迎えに来るのを屋根にのぼって待ち続けていた」という実例が紹介され、それに胸を打たれた監督が、インスパイアされて作ったのがこの映画だそうだ。
監督デビュー作『イゴールの約束』に、15才で主役に抜擢されたジェレミー・レニエが、この映画では31になり、父親役を演じてる。セシル・ドゥ・フランスというスター女優を起用してるのも珍しい。
東京では渋谷の「文化村ル・シネマ」、神奈川は「109シネマズ川崎」で公開される。
なお「ル・シネマ」では公開記念として、今月24日(土)から30日(金)まで、ダルデンヌ監督の旧作5本『イゴールの約束』『ロゼッタ』『息子のまなざし』『ある子供』『ロルナの祈り』を上映する。

とそんな所なんだが、日本映画は1本もなかったな。
24日には森田芳光監督の遺作となってしまった『僕達急行 A列車で行こう』があるんだが、こう今ひとつ食指が動かない。むしろ同日公開で、谷村美月が「ヒットガール」みたいなコスプレで怪盗を演じるという『サルベージ・マイス』が、危険な香りはプンプン漂わせてるものの、逆に気になったりしてるが。

俺は昔から日本映画もわりと見てきてはいるんだが、そうね40過ぎたあたりからか、特にここ数年が顕著だが、見たいと思う日本映画が少ないんだよ。
テレビドラマの劇場版がさかんに作られてるけど、俺はテレビドラマをほぼ見ないから、劇場版を見に行く筈もない。マンガも読まないから、マンガ原作の映画にも関心湧かない。
気に入った女優が出てると見たりはするが、内容にハマるってことはあまりないな。
作られてる映画がユース向けか、でなければエルダー向けか、両極端な気がするね。30代から50代くらいまでの年代が「これは見たい」って内容のものが滅多にない。

話はちょっと違うけど、今年の夏に公開されるアニメで、『サマー・ウォーズ』の細田守監督の新作『おおかみこどもの雨と雪』のティーザーがシネコンで流れてるけど、俺このアニメはそれこそジブリなみに大ヒットすると見てる。興収50億は軽く超えてくんじゃないか。
ジブリがもう作るのを止めてしまった「観客が求めてるジブリアニメ」を、細田監督が再生させようとしてる感じがビンビン伝わってくるんだが。
ポスターのビジュアルだけでも、子供もお母さんも「これ見たい!」って思うよきっと。

2012年3月22日

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