美しいシャーリーンむさいクルーニー曇ったハワイ [映画ハ行]
『ファミリー・ツリー』
現在アメリカ映画において、比較的若い世代の監督で、語り口の上手さと、着想の面白さで抜きん出てる三人の映画に、すべて係わってるのがジョージ・クルーニーだ。
この『ファミリー・ツリー』のアレクサンダー・ペイン監督、『マイレージ、マイライフ』のジェイソン・ライトマン監督、そしてウェス・アンダーソン監督のストップモーション・アニメ『ファンタスティック Mr.FOX』では主人公のキツネの声を担当してた。
こういう監督のセンスを目ざとく見分けるプロデューサー的才覚を持ち合わせてる。
この映画も語り口は滑らかで、人物描写にはユーモアと皮肉がこもり、オアフ島とカウアイ島を巡るロケーションの美しさと、ハワイアン・ミュージック。とにかく気持ちよく乗せてくれる。
「常夏の島」と呼ばれるわりには、この映画では晴天の日があまり描かれない。映画の内容に沿って、そういう日を選んでるということではなく、実際ハワイは意外と曇ってたり、雨が降ったりする日が多いのだ。
俺ももう10年近く前になるが、この映画のロケ地にもなってた、カウアイ島のプリンスヴィル・リゾート・エリアのコンドミニアムに、1週間ほど滞在したことがあるが、けっこう雨に降られた憶えがある。
ジョージ・クルーニーが演じるのは、オアフ島に生まれ育った弁護士のマット。彼の系譜を辿るとカメハメハ大王につながるという、由緒ある血筋で、先祖から代々受け継いでる、カウアイ島の広大な土地を所有してる。
弁護士としての仕事も土地取引に関するものだ。
ハワイには土地の永久拘束を禁じる法律があり、所有していられるのはあと7年だ。
マットの親族一同は、その広大な土地を、大規模開発を計画する企業への売却を望んでいた。一部には自然をそのまま残すべきと主張する者もいたが、ほとんどの親族は、その売却益の恩恵に預かることを期待していた。
親族会議での投票で方針が固まるが、最終決定権はマットにあった。
その親族会議を控えて、突然のアクシデントがマットと彼の家族を襲う。
マットの妻エリザベスが、パワーボートのレースに参加中に事故に遭い、昏睡状態に陥ってしまったのだ。
仕事にかまけ、家庭を顧みることのなかったマットの人生は一変する。
次女のスコッティはまだ10才で、情緒不安定となり、学校でも問題行動を起こすように。
子育ては妻に任せきりだったマットは、スコッティにどう接すればいいのか途方に暮れる。
ハワイ島の全寮制高校に通わせてる長女のアレックスを、とりあえず家に戻すため、マットは次女とともに迎えに行くが、酒も麻薬も覚えたらしく、言葉遣いも荒れ放題で、マットはいよいよ頭を抱える。
「なんでこんなことに」
だがそれは自分が家族に関心を払ってこなかったからなんだが。
アレックスは家に戻っても反抗的な態度を崩さないし、母親の見舞いに行こうともしない。仲のいい母娘だったのに、前年のクリスマスに喧嘩して以来、アレックスは母親と口も聞いてなかった。
マットは医者から告げられた事を娘に話した。
「母さんの意識はもう戻らないだろう。生命自体もそんなに長くは持たないそうだ」
マットはまだ息があるうちに、身内の人間にお別れをさせるために、病院に来てもらうよう、方々に連絡するつもりでいた。
だからなぜ娘が見舞いに行こうとしないのか、理由がわからなかった。
問い詰めるとアレックスは思いもかけないことを言い出した。
「父さんは何も知らないのね」
「母さんは浮気してたんだよ!」
クリスマス前にその現場をアレックスは目撃し、母親を責めたことが喧嘩の原因だったのだ。
マットには晴天の霹靂だった。矢も立てもたまらずに、マットは家を飛び出し、近くに住むエリザベスの親友夫婦の家に上がりこみ、妻の浮気の真偽を問い質す。妻は離婚まで考えていたようだった。
相手の男の名前を聞き出したマットに、やるべきことは一つだった。
長女のアレックスもそれに加わるという。
バラバラだった父親と娘たちが、予期しない結束へと動き始めていた。
ここから先はいつにも増して物語の核心部分に触れてるので、まだ見る前であれば、読まないでおいてほしい。この映画を語るには、物語の畳み方に言及しないわけにはいかないからだ。
マットは浮気相手の男が、カウアイ島のコテージに滞在してることを突き止める。
マットは長女アレックスと、「彼といれば私はいい子にしてるよ」と言われ、仕方なく同行を許したボーイフレンドのシド、次女のスコッティと共に、旅行に来てる風を装い、丁度海岸に出てきた浮気相手の妻と、二人の小さな息子たちに接近する。妻に何気なく声をかける。
「互いに子育ても大変ですよね」などと。
浮気相手の男はブライアンという名だ。ブライアンの家族が滞在してるコテージは、マットの親族がオーナーだった。
そしてその親族とブライアンが懇意にしており、今回の土地の開発業者側の斡旋を担当してるのが、他ならぬブライアンだということを、妻との会話からマットは引き出した。
海岸で話しをしたその日の晩に、マットは長女とともに、ブライアンのコテージへと乗り込む。ブライアンの妻は昼間に会った人ということで、快く迎え入れたが、後から出てきたブライアンは、マットのフルネームを聞き、顔を引きつらせた。
長女のアレックスが機転を利かせ、妻にコテージの中を案内してもらうと言い、マットとブライアンはキッチンで一対一で向かい合う。
ブライアンは謝罪しつつも、エリザベスが離婚を考えてたのは本当だと言った。だが自分はやはりこの家族を捨てることはできなかったと。マットは問い詰めた。
「エリザベスに近づいたのは、土地のことがあるからじゃないのか?」
ブライアンは言葉を濁した。
「あんたはエリザベスを愛してたのか?」
「いや…愛してはなかった」
マットは「妻は昏睡状態だ。もう長くはない。あんたにも妻に会ってやってほしいんだよ」
この時、ブライアンの妻は話を聞いてないから、マットが浮気相手の家族の前で、すべてを暴露したわけではない。
だがエリザベスの病室に見舞いに来たのは、ブライアンではなく、彼の妻だった。
明らかにあの時、夫が動揺を示したので、何があったのか問い詰めたという。
その結果「私の家族はボロボロになってしまった」と。
マットはブライアンの勤め先は既に突き止めてたわけだから、家族の元に顔を出さなくても、ブライアンに直接会えば済む話だったはずだ。
マットは親族会議で、投票では多数が開発業者への売却を支持したにも係わらず、売却を辞め、所有する期間内に、大自然を保全する道を模索するという決定を下す。
それはマットが自分のルーツに目覚め、その遺産を受け継いでいくことの尊さからの決定というより、開発業者への売却することで、妻の浮気相手に、莫大な仲介手数料が入ることを阻止するという理由からなのは明らか。
なのでマットと娘たちが、カウアイ島の美しい海岸沿いを一望できる「所有地」に立って、「この景色を失くすべきではない」という心境の変化に係わる場面の説得力がなくなる。
ブライアンの浮気の理由もいまいち明瞭さを欠く。エリザベスが、土地の所有権を有しているならともかく、彼女はマットの妻というだけで、そのエリザベスと「いい仲」になった所で、それがマットの決定に影響を及ぼすなんて保証などないだろう。
逆に浮気がバレるリスクの方が高い。実際アレックスに現場を押さえられてるんだし。
妻の浮気相手を突き止めるという一連の行動を通して、父親マットと娘たちはコミュニケーションを図ることができ、家族が修復へと向かうことになったが、それとひきかえに、もう一つの家族は大きなダメージを被ることになった。
「浮気された家族には当然の権利の行動」とマットは思ってたかも知れないが、そもそも妻が浮気に走った要因は、家族を省みなかった夫にもあるのだ。
相手の家族がいない場所で、ブライアンに「浮気はバレてるぞ」と告げて、制裁として、売却話を反古にする。
それで十分ではなかったのか。
ブライアンもそれだけ痛い目を負えば、深く反省もするだろう。
だが家族を壊されてしまっては遺恨が残る。
弁護士というにしては、マットのやることはスマートとは言えないな。
娘ふたりとソファーで、アイスクリームを分け合いながら、テレビを見てる場面で映画は終わるが、自分たちがした事が及ぼした苦い後味を、アイスの甘さでかき消してしまうようで、見てる方はスッキリしないのだ。
ジョージ・クルーニーはね、まあジョージ・クルーニーじゃないの?いつもの。
長女アレックスを演じたシャイリーン・ウッドリーがいい。
俺は内外のテレビドラマをほとんど見ないから、彼女がテレビ界ですでに注目浴びてる存在とは知らなかった。美人だし、感情表現が滑らかというのか、こみ上げてきて涙目になるあたりの芝居にあざとさがない。
彼氏のシドを演じたニック・クラウスも面白い。言葉遣いもぞんざいで、アホっぽいし、こんなのが彼氏なのかと、マットは最初はげんなりしてるんだが、それでも行く先々に付いて行ってる。
意外といい奴なのだということは、行動を共にするうちに分かってくるんだが、マットがこの若い男を拒絶したりしなかったのは、実はマットは「息子」がいればよかったのにと、思う部分があったからじゃないのかな。
なんとなく家族と距離を置き、仕事にかまけてきたのも、家族の中に息子がいれば、という思いが拭えなかったのかも知れない。
妻の浮気相手ブライアンを演じてるのはマシュー・リラード。久々に顔を見たが、相変わらずインパクトあるね。
なんか彼の持つ「ウサン臭さ」はケヴィン・ベーコンに通じるものを感じるんだよな。
いがみ合う父親と娘が、刑事ものの定番パターンである「バディ(相棒)ムービー」の関係性に倣って、行動してくという作劇の面白さがあるだけに、結末のつけ方にはどうも困り果ててしまう俺なのだ。
2012年5月25日
現在アメリカ映画において、比較的若い世代の監督で、語り口の上手さと、着想の面白さで抜きん出てる三人の映画に、すべて係わってるのがジョージ・クルーニーだ。
この『ファミリー・ツリー』のアレクサンダー・ペイン監督、『マイレージ、マイライフ』のジェイソン・ライトマン監督、そしてウェス・アンダーソン監督のストップモーション・アニメ『ファンタスティック Mr.FOX』では主人公のキツネの声を担当してた。
こういう監督のセンスを目ざとく見分けるプロデューサー的才覚を持ち合わせてる。
この映画も語り口は滑らかで、人物描写にはユーモアと皮肉がこもり、オアフ島とカウアイ島を巡るロケーションの美しさと、ハワイアン・ミュージック。とにかく気持ちよく乗せてくれる。
「常夏の島」と呼ばれるわりには、この映画では晴天の日があまり描かれない。映画の内容に沿って、そういう日を選んでるということではなく、実際ハワイは意外と曇ってたり、雨が降ったりする日が多いのだ。
俺ももう10年近く前になるが、この映画のロケ地にもなってた、カウアイ島のプリンスヴィル・リゾート・エリアのコンドミニアムに、1週間ほど滞在したことがあるが、けっこう雨に降られた憶えがある。
ジョージ・クルーニーが演じるのは、オアフ島に生まれ育った弁護士のマット。彼の系譜を辿るとカメハメハ大王につながるという、由緒ある血筋で、先祖から代々受け継いでる、カウアイ島の広大な土地を所有してる。
弁護士としての仕事も土地取引に関するものだ。
ハワイには土地の永久拘束を禁じる法律があり、所有していられるのはあと7年だ。
マットの親族一同は、その広大な土地を、大規模開発を計画する企業への売却を望んでいた。一部には自然をそのまま残すべきと主張する者もいたが、ほとんどの親族は、その売却益の恩恵に預かることを期待していた。
親族会議での投票で方針が固まるが、最終決定権はマットにあった。
その親族会議を控えて、突然のアクシデントがマットと彼の家族を襲う。
マットの妻エリザベスが、パワーボートのレースに参加中に事故に遭い、昏睡状態に陥ってしまったのだ。
仕事にかまけ、家庭を顧みることのなかったマットの人生は一変する。
次女のスコッティはまだ10才で、情緒不安定となり、学校でも問題行動を起こすように。
子育ては妻に任せきりだったマットは、スコッティにどう接すればいいのか途方に暮れる。
ハワイ島の全寮制高校に通わせてる長女のアレックスを、とりあえず家に戻すため、マットは次女とともに迎えに行くが、酒も麻薬も覚えたらしく、言葉遣いも荒れ放題で、マットはいよいよ頭を抱える。
「なんでこんなことに」
だがそれは自分が家族に関心を払ってこなかったからなんだが。
アレックスは家に戻っても反抗的な態度を崩さないし、母親の見舞いに行こうともしない。仲のいい母娘だったのに、前年のクリスマスに喧嘩して以来、アレックスは母親と口も聞いてなかった。
マットは医者から告げられた事を娘に話した。
「母さんの意識はもう戻らないだろう。生命自体もそんなに長くは持たないそうだ」
マットはまだ息があるうちに、身内の人間にお別れをさせるために、病院に来てもらうよう、方々に連絡するつもりでいた。
だからなぜ娘が見舞いに行こうとしないのか、理由がわからなかった。
問い詰めるとアレックスは思いもかけないことを言い出した。
「父さんは何も知らないのね」
「母さんは浮気してたんだよ!」
クリスマス前にその現場をアレックスは目撃し、母親を責めたことが喧嘩の原因だったのだ。
マットには晴天の霹靂だった。矢も立てもたまらずに、マットは家を飛び出し、近くに住むエリザベスの親友夫婦の家に上がりこみ、妻の浮気の真偽を問い質す。妻は離婚まで考えていたようだった。
相手の男の名前を聞き出したマットに、やるべきことは一つだった。
長女のアレックスもそれに加わるという。
バラバラだった父親と娘たちが、予期しない結束へと動き始めていた。
ここから先はいつにも増して物語の核心部分に触れてるので、まだ見る前であれば、読まないでおいてほしい。この映画を語るには、物語の畳み方に言及しないわけにはいかないからだ。
マットは浮気相手の男が、カウアイ島のコテージに滞在してることを突き止める。
マットは長女アレックスと、「彼といれば私はいい子にしてるよ」と言われ、仕方なく同行を許したボーイフレンドのシド、次女のスコッティと共に、旅行に来てる風を装い、丁度海岸に出てきた浮気相手の妻と、二人の小さな息子たちに接近する。妻に何気なく声をかける。
「互いに子育ても大変ですよね」などと。
浮気相手の男はブライアンという名だ。ブライアンの家族が滞在してるコテージは、マットの親族がオーナーだった。
そしてその親族とブライアンが懇意にしており、今回の土地の開発業者側の斡旋を担当してるのが、他ならぬブライアンだということを、妻との会話からマットは引き出した。
海岸で話しをしたその日の晩に、マットは長女とともに、ブライアンのコテージへと乗り込む。ブライアンの妻は昼間に会った人ということで、快く迎え入れたが、後から出てきたブライアンは、マットのフルネームを聞き、顔を引きつらせた。
長女のアレックスが機転を利かせ、妻にコテージの中を案内してもらうと言い、マットとブライアンはキッチンで一対一で向かい合う。
ブライアンは謝罪しつつも、エリザベスが離婚を考えてたのは本当だと言った。だが自分はやはりこの家族を捨てることはできなかったと。マットは問い詰めた。
「エリザベスに近づいたのは、土地のことがあるからじゃないのか?」
ブライアンは言葉を濁した。
「あんたはエリザベスを愛してたのか?」
「いや…愛してはなかった」
マットは「妻は昏睡状態だ。もう長くはない。あんたにも妻に会ってやってほしいんだよ」
この時、ブライアンの妻は話を聞いてないから、マットが浮気相手の家族の前で、すべてを暴露したわけではない。
だがエリザベスの病室に見舞いに来たのは、ブライアンではなく、彼の妻だった。
明らかにあの時、夫が動揺を示したので、何があったのか問い詰めたという。
その結果「私の家族はボロボロになってしまった」と。
マットはブライアンの勤め先は既に突き止めてたわけだから、家族の元に顔を出さなくても、ブライアンに直接会えば済む話だったはずだ。
マットは親族会議で、投票では多数が開発業者への売却を支持したにも係わらず、売却を辞め、所有する期間内に、大自然を保全する道を模索するという決定を下す。
それはマットが自分のルーツに目覚め、その遺産を受け継いでいくことの尊さからの決定というより、開発業者への売却することで、妻の浮気相手に、莫大な仲介手数料が入ることを阻止するという理由からなのは明らか。
なのでマットと娘たちが、カウアイ島の美しい海岸沿いを一望できる「所有地」に立って、「この景色を失くすべきではない」という心境の変化に係わる場面の説得力がなくなる。
ブライアンの浮気の理由もいまいち明瞭さを欠く。エリザベスが、土地の所有権を有しているならともかく、彼女はマットの妻というだけで、そのエリザベスと「いい仲」になった所で、それがマットの決定に影響を及ぼすなんて保証などないだろう。
逆に浮気がバレるリスクの方が高い。実際アレックスに現場を押さえられてるんだし。
妻の浮気相手を突き止めるという一連の行動を通して、父親マットと娘たちはコミュニケーションを図ることができ、家族が修復へと向かうことになったが、それとひきかえに、もう一つの家族は大きなダメージを被ることになった。
「浮気された家族には当然の権利の行動」とマットは思ってたかも知れないが、そもそも妻が浮気に走った要因は、家族を省みなかった夫にもあるのだ。
相手の家族がいない場所で、ブライアンに「浮気はバレてるぞ」と告げて、制裁として、売却話を反古にする。
それで十分ではなかったのか。
ブライアンもそれだけ痛い目を負えば、深く反省もするだろう。
だが家族を壊されてしまっては遺恨が残る。
弁護士というにしては、マットのやることはスマートとは言えないな。
娘ふたりとソファーで、アイスクリームを分け合いながら、テレビを見てる場面で映画は終わるが、自分たちがした事が及ぼした苦い後味を、アイスの甘さでかき消してしまうようで、見てる方はスッキリしないのだ。
ジョージ・クルーニーはね、まあジョージ・クルーニーじゃないの?いつもの。
長女アレックスを演じたシャイリーン・ウッドリーがいい。
俺は内外のテレビドラマをほとんど見ないから、彼女がテレビ界ですでに注目浴びてる存在とは知らなかった。美人だし、感情表現が滑らかというのか、こみ上げてきて涙目になるあたりの芝居にあざとさがない。
彼氏のシドを演じたニック・クラウスも面白い。言葉遣いもぞんざいで、アホっぽいし、こんなのが彼氏なのかと、マットは最初はげんなりしてるんだが、それでも行く先々に付いて行ってる。
意外といい奴なのだということは、行動を共にするうちに分かってくるんだが、マットがこの若い男を拒絶したりしなかったのは、実はマットは「息子」がいればよかったのにと、思う部分があったからじゃないのかな。
なんとなく家族と距離を置き、仕事にかまけてきたのも、家族の中に息子がいれば、という思いが拭えなかったのかも知れない。
妻の浮気相手ブライアンを演じてるのはマシュー・リラード。久々に顔を見たが、相変わらずインパクトあるね。
なんか彼の持つ「ウサン臭さ」はケヴィン・ベーコンに通じるものを感じるんだよな。
いがみ合う父親と娘が、刑事ものの定番パターンである「バディ(相棒)ムービー」の関係性に倣って、行動してくという作劇の面白さがあるだけに、結末のつけ方にはどうも困り果ててしまう俺なのだ。
2012年5月25日
2022-02-13 01:48
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