押し入れからビデオ『コルベット・サマー』 [押し入れからビデオ]

『コルベット・サマー』

コルベットサマー.jpg

『スター・ウォーズ』でブレイク直後のマーク・ハミルが、車大好きなメカニック高校生を演じた1978年作。
この映画も今までビデオ、DVD化がされてない。ざっと見通す限り、これという理由もわからないね。
主題歌はダスティ・スプリングフィールドだけど、音楽著作権なのか?

ちょうど同じ時期にコルベット・スティングレイを主役にした映画の企画が進んでいて、『スティングレイ』のタイトルを取られてしまったため、『コルベット・サマー』と改題になった。
その『スティングレイ』の方は、『サマータイム・キラー』で、ほんの一時期女の子からキャーと言われてたクリス・ミッチャムが主演。
日本では劇場未公開で『赤いスティングレイを追え!』という、どこかで聞いたような題名でテレビ放映されてる。

マーク・ハミルが自動車事故を起こしたのは、正確にはいつ頃のことなのか?
一説には『スター・ウォーズ』撮影終了直後と言われてるし、『帝国の逆襲』撮影直前とも言われてる。
この『コルベット・サマー』は公開時期は『スター・ウォーズ』の後だが、画面を見る限り、顔面に怪我の痕は見られない。
それに自動車事故を起こした後に、カーチェイスがあるような映画に出る気にはならないと思うしねえ。


廃車で鉄屑寸前のコルベット・スティングレイを仲間と汗水垂らして復元させた高校生ケニー。
だがそのスティングレイが盗まれ、目撃情報をもとに、ケニーはロスからラスベガスへ。
ヒッチハイクのケニーを拾うのがアニー・ポッツ。
『キング・オブ・ジプシー』に出てた、大きな目に愛嬌のある女優。
彼女扮するヴァネッサはウォーターベットを備えたワンボックスを運転してる。
ラスベガスで娼婦として一旗上げるんだと。

「そんな女いねえよ!」と思うが、70年代アメリカ映画には「身持ちがゆるくて気のいい女の子」という、男にとって都合よすぎる女性キャラが目立ったね。
女優でいうとメラニー・グリフィスとかヴァレリー・ペリンに代表される。
マーク・ハミルが、女っ気のない車メカ少年という垢抜けない役柄なんで、派手めなルックスのアニー・ポッツが、地味さ加減をカバーしてる感じだね。

自動車窃盗団の工場を突き止めたものの、あっさり監禁されちゃうケニーが、機転を利かせて天窓から逃げたように装うシーン。タールの詰まったドラムカンに頭まで浸かって隠れてるんだが、どうやって息してたんだよ!
ドラムカンから出てきたマーク・ハミル、あんたそれ『バタリアン』のタールマンだよ!

でもって、実は高校の自動車部の顧問で、目をかけてくれてた先生が、窃盗団とつるんでたことを知り、ショックを受けるものの、
「お前は腕がいいから一緒に仕事しよう」
と言われ、週休850ドルで窃盗団に入っちゃったよ!

金儲かるしスティングレイはどーでもよくなったケニーが、キメキメの格好でヴァネッサの前に現れるんだが、
マーク・ハミルあんたどう見ても、それフィンガー5だよ!
そもそもケニーがカスタマイズしたスティングレイというのが、ボンネットのゴッテゴテの排気口みたいなのがついてて、それ『デス・レース2000年』だよ!
クライマックスのカー・チェイスもスティングレイより、悪党の乗るマスタングの方がカッコいいですね、という…。
正直ツッコミ所満載ではある。


高校の自動車部の連中が、スティングレイを、お披露目に走らせるのがバン・ナイス・ブルバード。
70年代当時のロサンゼルスで、若者たちが集まる通りとして有名だった。
この通りの名をそのまま題名にした映画もあって、1980年に日本でも公開されてる。

邦題は『バン・バニング・バン』といって
「またテキトーな題名つけやがって」と思ったが、実は当時の西海岸ではバンをカスタマイズする
「バニング」が流行っていて、一応内容に即した邦題なんだと後で知った。
俺はこの映画を試写会かなんかで見てるはずなんだが、一場面たりとも憶えてないのだ。
『地獄の黙示録』のプレイメイトの慰問シーンで、CCRの『スージー・Q』にのって踊ってたシンシア・ウッドが出てるというのが、唯一の売りだったと思う。
アメリカでの扱いはグラインドハウス系の青春コメディという感じ。
でも監督は、あのとろとろピザ状モンスター『溶解人間』を撮ったことで、好き者の間では名の知られるウィリアム・サックス。
『溶解人間』は劇場公開時はTVムービー版『スパイダーマン』と2本立てだった。

自動車窃盗団の一味の中にブライオン・ジェームスがいた。『ブレードランナー』のレプリカントの一人で、ショーン・ヤングに頭を撃ち抜かれて死んでたヤツ。
この役者『スター・ウォーズ』以外で、ルークとハン・ソロそれぞれと共演してるって訳だ。
以上トリヴィアにしちゃ地味すぎるか。

すっかり脱線したが、この『コルベット・サマー』、他愛ないけど下ネタに走らない行儀のよさは、監督マシュー・ロビンスの資質によるものだろう。
この映画でデビューした後、ドラゴンのリアルな形状が今持って語り草なファンタジー
『ドラゴンスレイヤー』や、キャリアの中で一番の大作『ニューヨーク東8番街の奇跡』など健全娯楽作を手がけていった。
昨年公開され、ミニシアター作品としては、大きな成功を収めたフランス資本の『オーケストラ!』にも脚本で参加してる。
都合よく行きすぎるけど、気持ち良く乗せられてしまう感じは、この人のものだなと思ったりした。

2011年9月29日

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コメント 3

mkmu

この、押入れからビデオは見られるのでしょうか
by mkmu (2011-12-14 05:34) 

jovan兄

mkmuさま。
レスが今頃となり申し訳ありません。ブログは初めてで、コメントもらえることを想定していなくて、気づくの遅れました。『コルベット・サマー』ですが、今まで日本版のビデオ・DVDは出てません。自分のは昔テレビで放映された吹替え版を録画したものです。英語版でもよければ、アマゾンのUSAのサイトでMOVIEを選んで、『CORVETTE SUMMER』と入れると、DVDが出てきますが、どうも廃盤扱いのようで、値段が高いですね。もうひとつ、ストリーミングしてパソコンで見る「購入」の仕方が出てますね。こちらは10ドル位と安いです。



by jovan兄 (2011-12-22 12:09) 

mkmu

連絡、有り難うございます。
昔のテレビで放映された吹替え版の録画テープを見たかったので
ぜひ見たいので、宜しくお願い致します。
by mkmu (2011-12-23 04:16) 

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