『午後十時の映画祭』60年代編③作品コメ [「午後十時の映画祭」]

『午後十時の映画祭』

昨日に続いて、この映画が観たい『午後十時の映画祭』(60年代編)の50本について、短めにコメント入れてく。
五十音順で今日は「サ」行と「タ」行を。


「サ」行

『さすらいの狼』1964年フランス 
監督アラン・カヴァリエ 主演アラン・ドロン、レア・マッサリ

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昔テレビで見たきりで、以来ビデオもDVDにもならず、ドロン主演作としては今や「幻の作品」扱いとなってる。
誘拐した女性弁護士を、情にほだされて逃がすことから、自らが窮地に陥る、外人部隊兵士を演じてる。髪を相当短く刈り込んでた印象がある。
アラン・カヴァリエは、1986年に久しぶりの監督作『テレーズ』が評判を得た。



『茂みの中の欲望』1967年イギリス 
監督クライヴ・ドナー 主演ジュディ・ギースン

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トラフィックやスペンサー・デイビス・グループの楽曲が使われてて、たしか90年代に『ジョアンナ』と一緒にリバイバル公開してなかったか?「60年代オシャレ」を語る時、引き合いに出される映画。
19才のジュディ・ギースン、ミニスカだし脱いでるしで、頼むからもっかい見せてくれ。
ビデオ・DVDにはなってない。



『ジャガーの眼』1965年フランス 
監督クロード・シャブロル 主演マリー・ラフォレ

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映画評論家・児玉数夫著の「やぶにらみ世界娯楽映画史」という、今でいうと「秘宝系」の娯楽作ばかり紹介した面白本があり、その中に出てた。
寝てるマリー・ラフォレのガーターベルトを外そうとしてる女の場面写真に、俺の「ビアン・アンテナ」が反応したのだ。
何とか見たいがビデオ・DVDにはなってない。



『女王陛下のダイナマイト』1966年フランス 
監督ジョルジュ・ロートネル 主演リノ・ヴァンチュラ、ミレーユ・ダルク

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監督のロートネルは70年代にはドロンやベルモンドのお抱えのようになり、凡作ばかりだが、60年代には面白い映画ばかり作ってた人。
これもビートルズとモッズを合わせたような爆弾バイカー族と、リノ・ヴァンチュラとの戦いを、軽妙なタッチで描き飛ばしてる。昔夜中にテレビで見たきりだ。
ビデオ・DVDにはなってない。



『ジョーカー野郎』1966年イギリス 
監督マイケル・ウィナー 主演マイケル・クロフォード、オリヴァー・リード

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なんかデカいことやってやろうと、ロンドン塔から女王の王冠を盗み出す計画を立てる兄弟を描くクライム・コメディ。60年代のマイケル・ウィナーは冴えてたんだなあと思わせる演出ぶり。
2008年のA・ブロディとマーク・ラファロが兄弟詐欺師を演じた『ブラザース・ブルーム』の元ネタはこれか?
ビデオ・DVDにはなってない。



『ジョージー・ガール』1966年イギリス 
監督シルヴィオ・ナリッツァーノ 主演リン・レッドグレーヴ、アラン・ベイツ

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これは何と言ってもテーマ曲、シーカーズの「ジョージー・ガール」だね。ポップスの美点が詰まってる名曲。
ロンドン下町のちょっと冴えない女の子ジョージーの日常を、ユーモラスにあったかく描いてる。たしかルームメイトの役でデビュー間もないシャーロット・ランプリングも出てた。
昔ビデオになってたが、DVD化はされてない。



『紳士泥棒/大ゴールデン作戦』1966年イタリア・イギリス 
監督ヴィットリオ・デ・シーカ 主演ピーター・セラーズ、ブリット・エクランド

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これも昔はけっこうテレビでやってたが。名匠デ・シーカの意外や泥棒コメディ。脚本がニール・サイモン、音楽バカラックという超ゴージャスな布陣。
ピーター・セラーズの役柄が詐欺師とはハマりすぎ。当時24才のブリット・エクランドを口説いて嫁にしとるし。
昔ワーナーからビデオが出てたが、DVDにはなってない。



『死んでもいい』1962年アメリカ・フランス・ギリシャ 
監督ジュールス・ダッシン 主演メリナ・メルクーリ、アンソニー・パーキンス

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義理の息子に恋したことから、嫉妬の炎を燃やす王妃「フェードラ」のギリシャ悲劇を、現代に移し変えたメロドラマ。
アンソニー・パーキンスは『サイコ』の2年後なんだが、それ以前の甘い青春スターの面影を持って、年上の女との許されざる恋を演じてる。メリナ・メルクーリは圧巻。
ビデオ・DVDにはなってない。



『スパイがいっぱい』1965年イギリス 
監督ヴァル・ゲスト 主演デヴィッド・ニーヴン、フランソワーズ・ドルレアック

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カトリーヌ・ドヌーヴの実姉で、この映画の2年後に、25才の若さで事故死を遂げるフランソワーズ・ドルレアック。
明るいお色気を振りまく彼女が見たいわけだ。
洒脱な英国紳士デヴィッド・ニーヴンが、医者なのにスパイ活動させられて、ベイルートで危機連発というストーリーも楽しい。
ビデオ・DVDにはなってない。



『スリルのすべて』1963年アメリカ 
監督ノーマン・ジュイスン 主演ドリス・デイ、ジェームズ・ガーナー

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歌って踊れてコメディエンヌとしても優れてるドリス・デイの主演作も、1本くらいは入れときたい。彼女は本国アメリカでの人気と、日本での温度差があるスターだね。
これは主婦がいきなりテレビCMで人気となってしまう、その騒動を60年代アメリカ映画の明朗さで描いてる。脚本はカール・ライナー。
ビデオ・DVDにはなってない。



『青春の光と影』1968年アメリカ 
監督ホール・バートレット 主演ケント・レイン

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ジュディ・コリンズの同名の主題歌(作曲はジョニ・ミッチェル)の美しさもさることながら、伝説のフォーク・シンガー、ティム・バックリーが音楽を担当してるというのが貴重。
ナイーヴで感覚的な、いかにも60年代後半の青春像は、今見ると気恥ずかしくなるんだろうか?
名画座で見た昔が懐かしい。
ビデオ・DVDにはなってない。



『世界詐欺物語』1964年フランス・イタリア・日本・オランダ 
監督ロマン・ポランスキー、堀川弘通ほか 主演カトリーヌ・ドヌーヴ、浜美枝

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「詐欺」を題材にした4ヵ国製作のオムニバス。
フランス編は監督クロード・シャブロルで、主演はドヌーヴ、日本編は監督堀川弘通で、主演は浜美枝、宮口精二も出てる。オランダ編は監督ポランスキーという豪華布陣。イタリア編の監督は知らない人。
合作だけど東宝が噛んでるからDVD出せそうなもんだけどね。ビデオも出てない。



『世界殺人公社』1969年イギリス 
監督ベイジル・ディアデン 主演オリヴァー・リード、テリー・サバラス

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『女王陛下の007』のボンドガール、ダイアナ・リグが女性記者に扮し、20世紀初頭のヨーロッパで続出する奇怪な殺人事件の背後に、世界的な殺人ネットワークがあることを突き止める。
剣呑な設定のわりには、コメディ・タッチで描かれるのがイギリス映画らしい。
ビデオ・DVDにはなってない。



「タ」行

『太陽を盗め』1968年アメリカ 
監督ロバート・パリッシュ 主演ジェームズ・コバーン、スザンナ・ヨーク

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海運業者の父親の横暴さに反発した兄弟が、その輸送船に積まれた100万ポンドを強奪しようと、義弟に声をかける。ジェームズ・コバーンが「ヒッピー」で「芸術家」で「一等航海士」というキャラで登場。
原題に役名をつけるあたり、『電撃フリント』に次ぐシリーズにしようと目論んだか?
昔ビデオは出てたがDVDにはなってない。



『タッチャブル』1968年イギリス 
監督ロバート・フリーマン 主演ジュディ・ハクスタブル

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これは昔っから見たいと思い続けてる映画。学生の頃「映画宝庫」という季刊誌があり、「こんな映画があった」という紹介のされ方をしてた。
スウィンギン・ロンドンの時代に、超ミニの女の子たちが、人気スターを誘拐するというコメディだという。適度にエロいらしい。
もちろんビデオ・DVDにはなってない。なんとかならんか。



『血とバラ』1961年フランス・イタリア 
監督ロジェ・ヴァデム 主演エルザ・マルティネリ、メル・ファーラー

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昔テレビで夜中に見たんだが、カーミラという女吸血鬼の存在を初めて知った。
従兄の婚約相手のジョルジアが、バラの棘で痛めた指に口をつけ、その唇に血がついてるのを見たカーミラが、思わず彼女に接吻する場面に、俺の「ビアン・アンテナ」が反応したのだ。ヴァデムの最高傑作だろう。
ビデオ・DVDにはなってない。



『ドーヴァーの青い花』1963年イギリス 
監督ロナルド・ニーム 主演ヘイリー・ミルズ、デボラ・カー

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60年代にロリ系の可愛さで人気があったのがヘイリー・ミルズだ。13才で映画デビューしてるが、彼女は年上の人間と心を通わせるという少女を度々演じてた。
この映画では、暗い過去を持つ家庭教師デボラ・カーと、母から引き離された少女との交流が、端正な画面の中に描かれる。
ビデオ・DVDにはなってない。



『泥棒貴族』1966年アメリカ・イギリス・フランス 
監督ロナルド・ニーム 主演マイケル・ケイン、シャーリー・マクレーン

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ケインとシャーリー・マクレーンという顔合わせがまず面白い。
詐欺師のケインが、香港のナイトクラブの踊り子マクレーンを、仲間に引き込んでの強奪計画を頭の中で練るんだが、実際は思惑はずれまくりという、落差の描き方で笑わせる。
いかにも60年代の洒落っ気があり、オチも決まってる。
昔ビデオが出てたがDVDにはなってない。

2012年4月15日

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