『午後十時の映画祭』60年代編④作品コメ [「午後十時の映画祭」]

『午後十時の映画祭』

昨日に続いて、この映画が観たい『午後十時の映画祭』(60年代編)の50本について、短めにコメント入れてく。
五十音順で今日は「ナ」行から「ワ」まで。


「ナ」行

『夏の夜の10時30分』1966年アメリカ・フランス 
監督ジュールス・ダッシン 主演メリナ・メルクーリ、ロミー・シュナイダー

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娘とその女友達を誘い、スペインの町に観光にやってきた、倦怠期の夫婦。妻のメリナ・メルクーリは、夫が娘の友達ロミー・シュナイダーと不倫してるのを感づいていた。折りしも町では殺人事件が起きており、妻は容疑者の若い男にシンパシーを感じる。
デュラス原作・脚本。ロミーが美しい。
ビデオ・DVDにはなってない。



『盗みのテクニック』1966年フランス・イタリア・西ドイツ 
監督ニコラス・ジェスネル 主演ジーン・セバーグ

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ブロンソン主演の『扉の影に誰かいる』とかジョデイの『白い家の少女』は知られてるが、この監督デビュー作は俺も見たことない。西ドイツ舞台で、銀行員が強盗を計画するというプロットは、71年の『バンクジャック』を連想させる。
セバーグと『血とバラ』のマルティネリという女優の顔ぶれもいい。
ビデオ・DVDにはなってない。



『野にかける白い馬のように』1969年イギリス 
監督リチャード・C・サラフィアン 主演マーク・レスター

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これも昔テレビでよくやってたが、未だにビデオ・DVDにはなってないね。
11才のマーク・レスターが、イギリスの荒涼とした土地に住む失語症の少年を演じる。孤独な少年と、野生の白い馬が心を通わせていく様子は、スピルバーグの『戦火の馬』にもイメージがつながる。
退役軍人を演じるジョン・ミルズもいい味。



「ハ」行

『裸のランナー』1967年アメリカ 
監督シドニー・J・フューリー 主演フランク・シナトラ

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題名だけ聞くと目の保養になる映画と勘違いしそうだが、これは殺し屋の映画だ。
家具デザイナーのシナトラが、英国諜報部から殺しの仕事を命じられる。もう足を洗ったと断るが、息子を誘拐され、従わざるを得なくなる。
ジョージ・クルーニーはこの映画なんかの渋さを狙ってる所があるね。
ビデオ・DVDにはなってない。



『華やかな魔女たち』1966年イタリア 
監督ヴィスコンティ、パゾリーニ、デ・シーカほか 主演シルヴァーナ・マンガーノ、クリント・イーストウッド

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イーストウッドが主要な役を演じる映画で、唯一未だにビデオ・DVD化されてないのがこれ。
同じ時期にシャーリー・マクレーン主演の『女と女と女たち』、ゴダールも名を列ねる『愛すべき女・女たち 』と、テーマも一緒のオムニバスが3本揃って非常に紛らわしい。
これはシルヴァーナ・マンガーノが全編で主役となってる。



『ふたりだけの窓』1966年イギリス 
監督ロイ・ボールディング 主演ヘイリー・ミルズ、ジョン・ミルズ

ふたりだけの窓.jpg

少女スターとして人気を博してたヘイリー・ミルズもこの時は20才。レコード店の店員の彼女と、映画館の映写技師の青年が結婚するが、住宅難で親と同居、新婚旅行も、斡旋した会社に騙され代金も無くなるという、多難な新婚生活に。
音楽をポール・マッカートニーが担当してるのは驚き。
DVDは以前発売されてたが現在は廃版。



『フレンチ・スタイルで』1963年アメリカ 
監督ロバート・パリッシュ 主演ジーン・セバーグ

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アイオワ州の出身でありながら、パリを舞台にした映画のヒロインを何度も演じ、「巴里のアメリカ人」の代表格となったジーン・セバーグ。この映画も、画学生の彼女がパリでアヴァンチュールを繰り広げるロマコメのようだ。
60年代のパリのロケーションも見てみたい。
ビデオ・DVDにはなってない。



『ペルーの鳥』1968年フランス 
監督ロマン・ギャリー 主演ジーン・セバーグ、モーリス・ロネ

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作家にして、フランスの外交官でもあったという、ロマン・ギャリーが、自らの原作を映画化、妻でもあったジーン・セバーグを主演にした愛憎劇。
ペルーのリマ北方の、「鳥の墓場」と呼ばれる海岸に、死を覚悟してやってきた男と女。女は発作的に男を求めてしまうニンフォマニアだった。
ビデオ・DVDにはなってない。



「マ」行

『みどりの壁』1969年ペルー
監督アルマンド・ロブレス・ゴドイ 主演ラウル・マルチン

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昔名画座で見たきりだが、ペルー映画という物珍しさや、物語の中心人物の家族たちが暮らす、森の中の風景がよかった。木々の呼吸まで感じられるような生々しいカメラだった。
子供が毒蛇に噛まれたまま、母親のもとに、泣きながら駆け込んでくる場面の恐ろしさに固まった憶えがある。
ビデオ・DVDにはなってない。



「ヤ」行

『ユリシーズ』1967年アメリカ 
監督ジョセフ・ストリック 原作ジェームズ・ジョイス

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映画化されたものでは、ジョン・ヒューストン監督の『ザ・デッド/「ダブリン市民」より』が有名なジョイスの小説だが、この映画は、ジョイスの文体そのままに、主人公の行動ではなく想念が脈略なく描かれるという、野心的な試みをしてるらしい。
監督は『ヘンリー・ミラーの北回帰線』も撮ってる。
ビデオ・DVDにはなってない。



『夜のダイヤモンド』1964年チェコスロヴァキア 
監督ヤン・ニェメッツ

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なにやらロマンティックな響きのある題名なんだが、中身はユダヤ人を詰め込んで収容所へと送る貨物列車から、飛び降りて森の中を逃げる少年ふたりの物語なのだ。
なので逆になぜこの題名がついてるのか、俄然興味が湧いてくる。
『小さな赤いビー玉』や『さよなら子供たち』のような名作なのかもと。
ビデオ・DVDにはなってない。



『491』1964年スウェーデン 
監督ヴィルゴット・シェーマン 主演レナ・ニーマン「私は好奇心の強い女」

491.jpg

1950年代のスウェーデン、非行少年たちを収容する、教会が運営する「保護所」を舞台にして、男色行為なども描かれる、当時としてはスキャンダラスな内容。題名は「主は490回の罪を許される」の言葉から。
監督と出演者のレナ・ニーマンは2年後に『私は好奇心の強い女』で世界を騒然とさせる。
ビデオ・DVDにはなってない。



「ラ」行

『リサの瞳のなかに』1962年アメリカ 
監督フランク・ペリー 主演ケア・デュリア、ジャネット・マーゴリン

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監督も主演のふたりもこれがキャリアのスタートとなった、瑞々しい一作。他人に触れられることを極度に恐れる「超潔癖症」の青年が、治療施設で、自分の世界に生きる少女リサと心を交感していく。
近年では、アスペルガー症候群の男女が出会う『モーツァルトとクジラ』に通じる眼差しの映画。
ビデオ・DVDにはなってない。



『レッド・ムーン』1968年アメリカ 
監督ロバート・マリガン 主演グレゴリー・ペック、ロバート・フォスター

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これはガキの頃にテレビで見て「おっかねえ!」と思った映画。
グレゴリー・ペック主演のウエスタンの体裁なんだが、ペックが混血の少年を連れた白人女性を保護したことから、その少年の父親である、アパッチの戦士に執拗に付け狙われる。その神出鬼没ぶりがほとんどホラーのキャラのよう。
ビデオ・DVDにはなってない。



「ワ」

『私は誘拐されたい』1968年イギリス 
監督ヒューバート・コーンフィールド 主演パメラ・フランクリン、マーロン・ブランド

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東京生まれというのも親しみが湧くパメラ・フランクリンが、身代金目的の一味に誘拐・監禁されるサスペンスだが、題名がネタバレしてるのが困りもの。
パメラは『ヘルハウス』以降がリアルタイムだったが、この映画の18才の彼女はエロ可愛かった。
ブランドが妙に二枚目。
昔テレビで見たが、ビデオ・DVDにはなってない。

2012年4月16日

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