クリスチーナ・リンドバーグの映画にステランが [映画ア行]
『異常性欲アニタ』
この映画は1973年のスウェーデン映画で、アット・エンタティンメントから発売されたDVDのタイトルは『クリスチーナ・リンドバーグinアニタ』だが、1976年にポルノ映画として日本公開された時の題名が『異常性欲アニタ』なのだ。
クリスチーナ・リンドバーグは、1971年に21才で主演した『露出』が日本公開され、ロリ顔のポルノ女優として一躍人気を博した。
東映に招かれ『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』と『ポルノの女王 ニッポンSEX旅行』に出てる。
ステラン・スカルスガルドは、この『異常性欲アニタ』の準主役として、22才の時に出演してる。
クリスチーナより1つ年下だ。
映画の中身自体は、クリスチーナはポンポン脱いではいるが、ヘアが見えるという程度で、SEX描写もおとなしいもの。だがこれでも当時は「ポルノ映画」として製作されてたのだろう。
ステランは「ニンフォマニア」のクリスチーナの力になろうとする、心理学専攻の学生を演じてる。
整った顔をしてはいるが、なんというか、のっぺりした感じで個性に欠ける。
彼が役者として注目浴び始めるのは、日本では「北欧映画祭」でのみ上映された、1987年の『ヒップ・ヒップ・フラ!(原題)』あたりからで、30代後半になって、表情に陰影が帯びるようになり、「いい顔」になってきたということだろう。
クリスチーナ・リンドバーグ演じるアニタは、16才なんだが、とにかく男としたいという欲求が抑えられない。
彼女が住んでるのは、スウェーデン第2の都市イェーテボリで、この町は昨年のTIFFのコンペ出品作
『プレイ』でも舞台になってたが、空港やら駅やらで男に声をかけては、コトに及んでるのだ。
アニタはただ「やりたい」だけなので、金を受け取るわけでもない。
なので「本職」の女たちからは目の仇にされてる。
男なら年齢も職業も問わない、どうやら自分が通ってる高校の教師の相手もしてるという、そういう意味では偏見を持たない「いい娘」ではあるんだが、毎日そんなことしてるんで、とっくに町の有名人になってる。
場所がないと、工事現場のテントの中でも済ますというのが凄い。
アニタの父親は出世欲バリバリの軍人で、母親は常に厚化粧。
妹はアニタに言わせると
「親の機嫌取りのうまい、偽善者」
だが裕福な家庭でなぜ彼女だけがそんなことになってしまったのか?
父親はアニタに「お前は家族の恥だ」
と言い放っておきながら、軍の高官たちを招いたホームパーティでは、娘たちにドレスを着させて、歌を唄わせる。
妹は引っ込み、アニタが「歌の次は踊りを」と言って、高官たちの前でストリップを始める。
もちろん高官大満足だ。
娘にそんなことさせといて、家族の恥とか、もう無茶苦茶でござりますがな。
ステラン演じるエリックは、偶然町でアニタとぶつかって怪我をさせたことで、治療のため、アパートに招く。そのアパートは、彼がリーダー役となってる、学生たちの楽団が共同生活を送ってる。
アニタはエリックの部屋でさっそく迫るが、エリックは断る。
行為を拒んだ男は初めてだったので、アニタはエリックを信頼するようになる。
心理学を専攻してたエリックは、彼女の身の上話を聞きながら、アニタが
「ニンフォマニア」(色情症)という病気であると判断する。
アニタは男とやりたくはなるが、性的満足は得られない。した後はいつも自己嫌悪に沈む。
エリックは彼女に
「オーガズムを感じたことは?」
と尋ねるが、アニタは首を振る。
アニタの欲求の根本には、両親からの精神的虐待がある。
頭のいい妹が贔屓され、自分は疎まれてる。
アニタが男と寝て回ってることが表沙汰になるほどに、両親は不快になり、そのことがアニタの溜飲を下げさせることになる。
だが同時に「達しない」SEXでは自己嫌悪を繰り返すばかりで、負のスパイラルからは脱け出せない。
エリックはアニタに課題を科した。
「まずは方法は問わないから、オーガズムを体験することだ」
ってそんなんでいいのか?ステランと思うんだが、アニタは素直な子だから、言われた通りにするわけです。
相手が一人だったから駄目だったのかもと、怪しいアパートに潜んでるイタリア人やらスペイン人やら、そういった男たちの前で裸になって、試してみたり。
だが翌日、警察の手入れが入り、男たちが連行されると、参考人として検事のオフィスに連行され。
「私はたまたま行っただけなのに」
と検事の秘書みたいな女性に慰めてもらう内に、
「そういえば女と試してなかった」ということになり。
レズシーンといっても裸になるだけだったが。
そうこうしてる内に「ストリップ劇場」で踊ってるアニタ。
学生たちの共同生活のアパートでも、男子学生と片っ端から及んでしまったため、女子学生の怒りを買い、それがもとで、アパートを出て行ってしまったアニタ。
エリックはいつしか彼女を愛し始めていて、彼女を探し回り、ようやくストリップ劇場の楽屋で再会するのだった。
「ニンフォマニア」という病気は、マイケル・ダグラスも発症してたくらいで、本人としちゃ、その辛さがわかってもらいづらい、しんどさがあるようだ。
この映画はそのあたりを「ネタ」としてでなく、シリアスに描こうという意図があり、「ポルノフィルム」というより「映画」として撮ってる感じはあった。
クリスチーナ・リンドバーグは演技がヘタというわけでもないが、今年集中して見た「日活ロマンポルノ」で出会った日本の女優たちが、いかに海外のポルノ女優に比べて、肌がきれいで、演技もできてたかというのが、逆にわかったりもした。
アット・エンタティンメントのDVDを見たんだが、フィルムが悪いね。
この手の映画にニュープリントなんてコストかけてられんということなんだろ。
ニュープリントならクリスチーナの肌ももう少し奇麗に映ったのかも。
この映画で一番の見せ場は、クリスチーナが男の前で、パンティを両手でグッと引き上げて「パチン」と引き千切っちゃう所。
あんなんで切れちゃうもんかな。なんか「仕事師」みたいでカッコよかったが。
2012年9月26日
この映画は1973年のスウェーデン映画で、アット・エンタティンメントから発売されたDVDのタイトルは『クリスチーナ・リンドバーグinアニタ』だが、1976年にポルノ映画として日本公開された時の題名が『異常性欲アニタ』なのだ。
クリスチーナ・リンドバーグは、1971年に21才で主演した『露出』が日本公開され、ロリ顔のポルノ女優として一躍人気を博した。
東映に招かれ『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』と『ポルノの女王 ニッポンSEX旅行』に出てる。
ステラン・スカルスガルドは、この『異常性欲アニタ』の準主役として、22才の時に出演してる。
クリスチーナより1つ年下だ。
映画の中身自体は、クリスチーナはポンポン脱いではいるが、ヘアが見えるという程度で、SEX描写もおとなしいもの。だがこれでも当時は「ポルノ映画」として製作されてたのだろう。
ステランは「ニンフォマニア」のクリスチーナの力になろうとする、心理学専攻の学生を演じてる。
整った顔をしてはいるが、なんというか、のっぺりした感じで個性に欠ける。
彼が役者として注目浴び始めるのは、日本では「北欧映画祭」でのみ上映された、1987年の『ヒップ・ヒップ・フラ!(原題)』あたりからで、30代後半になって、表情に陰影が帯びるようになり、「いい顔」になってきたということだろう。
クリスチーナ・リンドバーグ演じるアニタは、16才なんだが、とにかく男としたいという欲求が抑えられない。
彼女が住んでるのは、スウェーデン第2の都市イェーテボリで、この町は昨年のTIFFのコンペ出品作
『プレイ』でも舞台になってたが、空港やら駅やらで男に声をかけては、コトに及んでるのだ。
アニタはただ「やりたい」だけなので、金を受け取るわけでもない。
なので「本職」の女たちからは目の仇にされてる。
男なら年齢も職業も問わない、どうやら自分が通ってる高校の教師の相手もしてるという、そういう意味では偏見を持たない「いい娘」ではあるんだが、毎日そんなことしてるんで、とっくに町の有名人になってる。
場所がないと、工事現場のテントの中でも済ますというのが凄い。
アニタの父親は出世欲バリバリの軍人で、母親は常に厚化粧。
妹はアニタに言わせると
「親の機嫌取りのうまい、偽善者」
だが裕福な家庭でなぜ彼女だけがそんなことになってしまったのか?
父親はアニタに「お前は家族の恥だ」
と言い放っておきながら、軍の高官たちを招いたホームパーティでは、娘たちにドレスを着させて、歌を唄わせる。
妹は引っ込み、アニタが「歌の次は踊りを」と言って、高官たちの前でストリップを始める。
もちろん高官大満足だ。
娘にそんなことさせといて、家族の恥とか、もう無茶苦茶でござりますがな。
ステラン演じるエリックは、偶然町でアニタとぶつかって怪我をさせたことで、治療のため、アパートに招く。そのアパートは、彼がリーダー役となってる、学生たちの楽団が共同生活を送ってる。
アニタはエリックの部屋でさっそく迫るが、エリックは断る。
行為を拒んだ男は初めてだったので、アニタはエリックを信頼するようになる。
心理学を専攻してたエリックは、彼女の身の上話を聞きながら、アニタが
「ニンフォマニア」(色情症)という病気であると判断する。
アニタは男とやりたくはなるが、性的満足は得られない。した後はいつも自己嫌悪に沈む。
エリックは彼女に
「オーガズムを感じたことは?」
と尋ねるが、アニタは首を振る。
アニタの欲求の根本には、両親からの精神的虐待がある。
頭のいい妹が贔屓され、自分は疎まれてる。
アニタが男と寝て回ってることが表沙汰になるほどに、両親は不快になり、そのことがアニタの溜飲を下げさせることになる。
だが同時に「達しない」SEXでは自己嫌悪を繰り返すばかりで、負のスパイラルからは脱け出せない。
エリックはアニタに課題を科した。
「まずは方法は問わないから、オーガズムを体験することだ」
ってそんなんでいいのか?ステランと思うんだが、アニタは素直な子だから、言われた通りにするわけです。
相手が一人だったから駄目だったのかもと、怪しいアパートに潜んでるイタリア人やらスペイン人やら、そういった男たちの前で裸になって、試してみたり。
だが翌日、警察の手入れが入り、男たちが連行されると、参考人として検事のオフィスに連行され。
「私はたまたま行っただけなのに」
と検事の秘書みたいな女性に慰めてもらう内に、
「そういえば女と試してなかった」ということになり。
レズシーンといっても裸になるだけだったが。
そうこうしてる内に「ストリップ劇場」で踊ってるアニタ。
学生たちの共同生活のアパートでも、男子学生と片っ端から及んでしまったため、女子学生の怒りを買い、それがもとで、アパートを出て行ってしまったアニタ。
エリックはいつしか彼女を愛し始めていて、彼女を探し回り、ようやくストリップ劇場の楽屋で再会するのだった。
「ニンフォマニア」という病気は、マイケル・ダグラスも発症してたくらいで、本人としちゃ、その辛さがわかってもらいづらい、しんどさがあるようだ。
この映画はそのあたりを「ネタ」としてでなく、シリアスに描こうという意図があり、「ポルノフィルム」というより「映画」として撮ってる感じはあった。
クリスチーナ・リンドバーグは演技がヘタというわけでもないが、今年集中して見た「日活ロマンポルノ」で出会った日本の女優たちが、いかに海外のポルノ女優に比べて、肌がきれいで、演技もできてたかというのが、逆にわかったりもした。
アット・エンタティンメントのDVDを見たんだが、フィルムが悪いね。
この手の映画にニュープリントなんてコストかけてられんということなんだろ。
ニュープリントならクリスチーナの肌ももう少し奇麗に映ったのかも。
この映画で一番の見せ場は、クリスチーナが男の前で、パンティを両手でグッと引き上げて「パチン」と引き千切っちゃう所。
あんなんで切れちゃうもんかな。なんか「仕事師」みたいでカッコよかったが。
2012年9月26日
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