グイ・ルンメイの台湾美人姉妹カフェ [映画タ行]
『台北カフェ・ストーリー』
「東京ごはん映画祭」なるものが開催されてることをご存知か?
といっても俺も3日前に存じ上げたばかりだが。
「食べ物」が印象に残る映画や、「食」にまつわるテーマを持った映画を集めて上映する企画で、
10月6日から10月20日まで、渋谷「シアターイメージフォーラム」で、10月20日と21日の2日間は、南青山の「スパイラルホール」で開催される。
初日に、この20日から公開される日本映画『ペンギン夫婦の作り方』がプレミア上映された他は、新作は並んでないが、俺はスクリーンで見逃した映画があったので、足を運んでみた。
チケットカウンターで当日券を買うと、布製の小さなエコバッグをくれた。
中には協賛してる食品メーカーの「レトルト玄米がゆ」と「フリーズドライのおこげと野菜スープ」に、クラフトの「パルメザンチーズ」のミニサイズが入ってて、得した気分になった。
「東京ごはん映画祭」は今年第3回だそうだが、来年も開催してください。
『台北カフェ・ストーリー』はなんといっても主演してる二人の女優が美しい。
貯蓄家で、会社を辞めて念願のカフェをオープンさせた姉ドゥアルと、いまいち気が合わないんだけど、母親から「人件費だってバカにならないんだから、身内でやりなさい」と押しつけられた妹チャンアル。
そのドゥアルを演じるのは、高校生の時に『藍色初恋』で主演デビューを飾り、麗しく成長したグイ・ルンメイ。
妹チャンアルを演じるのは、これが映画デビューというリン・チェンシー。
昨日の『ロスト・イン・北京』のコメントでも触れたけど、アジア映画の俳優は、日本の誰かに似てるのだ。
グイ・ルンメイは女子アナの西尾由佳理に、リン・チェンシーは、映画のSキャラな感じと、ボーイッシュなショートで、木下あゆ美を思わせる。
二人とも「きつね顔」だね。こういう顔が好きなので、こんな美人姉妹が切り盛りしてるカフェなら俺も足繁く通うだろう。
ドゥアルは開店前日に、花屋の車と接触事故を起こす。
ドゥアルの車の壊れたバンパーの修理代の代わりにと、花屋の車の荷台の花をもらう。
辞めた会社の同僚たちなどに、オープン日に何か持ってきてくれたら、花をプレゼントするとメールしたら、同僚たちは、役に立ちそうもない置物なんかを持ち込んできた。
すっきりと洗練されたはずの店内は、いろんな貰い物で雑然となってしまう。
同僚たちもぱったり顔を見せなくなり、店は途端に暇になった。
「もうこれ捨てちゃおう」
となった時に、地元の自治会長が、カフェのオープンを聞きつけてやってきた。
なぜか誰かが、タイ料理のメニューブックを置いていったらしく、自治会長はそれに反応を示した。
タイ料理ができる訳ではないと聞かされた会長は、メニューブックがほしいという。
すると妹のチャンアルは、とっさに
「なにかと交換するならいいですよ」と言った。
「店の排水溝を掃除してくれませんか?」
自治会長は「よし、息子にやらせよう」と請負い、交換話は成立した。
「ここはカフェで、物々交換の場じゃないのよ」
と不機嫌なドゥアルに、妹は
「物々交換に来た人は、けっこう悩むわよ」
「人は悩んだ時どうすると思う?」
「コーヒーを飲むのよ」
凄い論理の展開だが、姉のドゥアルはなんとなく納得してしまったようだ。
ドゥアルは手作りのケーキやエクレアに磨きをかけ、妹チャンアルは、「物々交換」の宣伝チラシを町に配布して回る。
物珍しさも手伝って、少しずつ店に人が入ってくるようになった。
自慢のカプチーノやケーキのオーダーが中々伸びないのに、ドゥアルは不満ではあるが、店は人で賑わってる方がやはりいい。
そんなある日、男性客が35個の石鹸を持って店に来た。
それは彼が世界中を旅して集めた物だという。
石鹸をただ交換しようというのではなく、彼は石鹸を手に入れた場所、それぞれにまつわるストーリーも語ってきかせると云う。
最初会社の同僚たちが持ちこんできた物は、どれもガラクタに見えたが、人にとってガラクタに見える物でも、その持ち主には、それにまつわる思い出が含まれてる。
物々交換の場は、次第に物だけではなく、その人のストーリーを交換しあう場にもなっていった。
ドゥアルは学生時代には勉強一本に取り組み、いい会社に入って、コツコツと貯金をして、カフェを開くにまで至った。
それはそれで目標を実現させた達成感は得られたが、自分には語るべきストーリーがあまりない。
いろんな場所に行って、いろんなものを見るという経験をしてないからだ。
ドゥアルの中で、人生の価値観が少し変化し始めていた。
映画の中ではたいした出来事が起こるわけではない。
「雰囲気映画」といってもいいのだが、その雰囲気を、細部まで気を行き届かせて作っているので好感がもてる。
全体的に柔らかい色彩の質感であったり、ジャズピアノ調の音楽であったり、台北の街路樹の緑であったり、ゆったりとした気分で見てられる。
自転車で町を巡るリン・チェンシーの表情がきれいだった。
たぶん荻上直子監督の一連の映画が好きな人は、これも気に入るだろう。
俺は『かもめ食堂』は見たが、ほかのは見てない。
いや小林聡美や、もたいまさこも悪くはないんだが、たまにはこの映画みたいな「眼福系」のキャストで臨んでもらえればね。
台湾ではスタバのようなフランチャイズのカフェよりも、いろんな個性を打ち出したカフェが軒を並べてるという。
NHK-BSの町歩き番組でも、台湾の地方都市でそんなカフェを訪れていた。
2012年10月17日
「東京ごはん映画祭」なるものが開催されてることをご存知か?
といっても俺も3日前に存じ上げたばかりだが。
「食べ物」が印象に残る映画や、「食」にまつわるテーマを持った映画を集めて上映する企画で、
10月6日から10月20日まで、渋谷「シアターイメージフォーラム」で、10月20日と21日の2日間は、南青山の「スパイラルホール」で開催される。
初日に、この20日から公開される日本映画『ペンギン夫婦の作り方』がプレミア上映された他は、新作は並んでないが、俺はスクリーンで見逃した映画があったので、足を運んでみた。
チケットカウンターで当日券を買うと、布製の小さなエコバッグをくれた。
中には協賛してる食品メーカーの「レトルト玄米がゆ」と「フリーズドライのおこげと野菜スープ」に、クラフトの「パルメザンチーズ」のミニサイズが入ってて、得した気分になった。
「東京ごはん映画祭」は今年第3回だそうだが、来年も開催してください。
『台北カフェ・ストーリー』はなんといっても主演してる二人の女優が美しい。
貯蓄家で、会社を辞めて念願のカフェをオープンさせた姉ドゥアルと、いまいち気が合わないんだけど、母親から「人件費だってバカにならないんだから、身内でやりなさい」と押しつけられた妹チャンアル。
そのドゥアルを演じるのは、高校生の時に『藍色初恋』で主演デビューを飾り、麗しく成長したグイ・ルンメイ。
妹チャンアルを演じるのは、これが映画デビューというリン・チェンシー。
昨日の『ロスト・イン・北京』のコメントでも触れたけど、アジア映画の俳優は、日本の誰かに似てるのだ。
グイ・ルンメイは女子アナの西尾由佳理に、リン・チェンシーは、映画のSキャラな感じと、ボーイッシュなショートで、木下あゆ美を思わせる。
二人とも「きつね顔」だね。こういう顔が好きなので、こんな美人姉妹が切り盛りしてるカフェなら俺も足繁く通うだろう。
ドゥアルは開店前日に、花屋の車と接触事故を起こす。
ドゥアルの車の壊れたバンパーの修理代の代わりにと、花屋の車の荷台の花をもらう。
辞めた会社の同僚たちなどに、オープン日に何か持ってきてくれたら、花をプレゼントするとメールしたら、同僚たちは、役に立ちそうもない置物なんかを持ち込んできた。
すっきりと洗練されたはずの店内は、いろんな貰い物で雑然となってしまう。
同僚たちもぱったり顔を見せなくなり、店は途端に暇になった。
「もうこれ捨てちゃおう」
となった時に、地元の自治会長が、カフェのオープンを聞きつけてやってきた。
なぜか誰かが、タイ料理のメニューブックを置いていったらしく、自治会長はそれに反応を示した。
タイ料理ができる訳ではないと聞かされた会長は、メニューブックがほしいという。
すると妹のチャンアルは、とっさに
「なにかと交換するならいいですよ」と言った。
「店の排水溝を掃除してくれませんか?」
自治会長は「よし、息子にやらせよう」と請負い、交換話は成立した。
「ここはカフェで、物々交換の場じゃないのよ」
と不機嫌なドゥアルに、妹は
「物々交換に来た人は、けっこう悩むわよ」
「人は悩んだ時どうすると思う?」
「コーヒーを飲むのよ」
凄い論理の展開だが、姉のドゥアルはなんとなく納得してしまったようだ。
ドゥアルは手作りのケーキやエクレアに磨きをかけ、妹チャンアルは、「物々交換」の宣伝チラシを町に配布して回る。
物珍しさも手伝って、少しずつ店に人が入ってくるようになった。
自慢のカプチーノやケーキのオーダーが中々伸びないのに、ドゥアルは不満ではあるが、店は人で賑わってる方がやはりいい。
そんなある日、男性客が35個の石鹸を持って店に来た。
それは彼が世界中を旅して集めた物だという。
石鹸をただ交換しようというのではなく、彼は石鹸を手に入れた場所、それぞれにまつわるストーリーも語ってきかせると云う。
最初会社の同僚たちが持ちこんできた物は、どれもガラクタに見えたが、人にとってガラクタに見える物でも、その持ち主には、それにまつわる思い出が含まれてる。
物々交換の場は、次第に物だけではなく、その人のストーリーを交換しあう場にもなっていった。
ドゥアルは学生時代には勉強一本に取り組み、いい会社に入って、コツコツと貯金をして、カフェを開くにまで至った。
それはそれで目標を実現させた達成感は得られたが、自分には語るべきストーリーがあまりない。
いろんな場所に行って、いろんなものを見るという経験をしてないからだ。
ドゥアルの中で、人生の価値観が少し変化し始めていた。
映画の中ではたいした出来事が起こるわけではない。
「雰囲気映画」といってもいいのだが、その雰囲気を、細部まで気を行き届かせて作っているので好感がもてる。
全体的に柔らかい色彩の質感であったり、ジャズピアノ調の音楽であったり、台北の街路樹の緑であったり、ゆったりとした気分で見てられる。
自転車で町を巡るリン・チェンシーの表情がきれいだった。
たぶん荻上直子監督の一連の映画が好きな人は、これも気に入るだろう。
俺は『かもめ食堂』は見たが、ほかのは見てない。
いや小林聡美や、もたいまさこも悪くはないんだが、たまにはこの映画みたいな「眼福系」のキャストで臨んでもらえればね。
台湾ではスタバのようなフランチャイズのカフェよりも、いろんな個性を打ち出したカフェが軒を並べてるという。
NHK-BSの町歩き番組でも、台湾の地方都市でそんなカフェを訪れていた。
2012年10月17日
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